ゲーム録

テレビゲームについて語る

 バナナ (BANANA)


ロジック系パズル・拾い集めクリア型+ゴールルート確保型・エディット
ビクター 1986年9月8日発売 ファミコン

SONOTASOFT

サルにはハマれないパズル

クリアの鍵は自分の頭脳だ……。
このゲームは敵キャラもいないし、岩に挟まって死亡なんてこともなく、じっくりと腰を据えてパズルを解くゲームだ。
それだけに行き詰まったときのために、自爆コマンドが用意されている。AB両方のボタンを押すと「ギブアップ」ということになり、もう一度その面の最初からできるのだ。


主人公はモグラくん。楽しいピクニックのはずが地震に遭遇し、奥さん(ガールフレンド?)とはぐれてしまった。モグラくんは彼女と土の中に埋まったお弁当の中身をすべて回収して脱出口を目指すという内容だ。



先を読むのがコツ

画面の構成はマップチップを並べたようになっていて、土、果物などのお弁当の中身、岩、梯子、女の子モグラ、ドア、なにもない穴がある。

主人公のモグラは左右と下へは土を掘ることはできるが、掘った穴を埋めることはできない。
岩を通り抜けることができず、穴のあいたところへ踏み出すと下に落ちてしまう。
上方へ穴を掘ることはできず、上へ登るには梯子を使うしかない。
というのがルール。


ただ闇雲に歩いてはいけません。歩く前にきっちり戦略を練る必要がある。画面上のお弁当の中身をすべて拾い、ガールフレンドを連れてゴールの扉までたどり着かねばならない。自分が掘った穴のせいで出口までたどり着けなかったりするのだから、一筋縄ではいかないのだ。


というのも、はじめと終わりでは地形がずいぶんと違ってくるので、先を読むのがポイントとなる。
掘った穴もそうだが、お弁当の中身を取るとそこも空白の穴となる。
やっかいなのが、岩の存在。岩のすぐ下の土を掘ると、当然穴があくので重力の法則にのっとって下へ落下する。たとえば岩の下を右から左へと抜けると、岩が落ちて右へは帰れなくなる。梯子を登って迂回するか、また下へと掘り下げ岩の下を通っていくか、とにかく先を読みゴールまでのルートを確保するのがこのゲームのすべてである。



なぜにバナナ

きっとモグラくんの好物なのでしょう。
バナナをとると、アイテムが追加される。セレクト画面で選択し、岩が邪魔なときは爆弾で破壊でき、穴を掘りすぎたら梯子やロープをかけたり、岩を落として穴を埋めることもできる。


でも、このアイテムを使うには皮のむけたバナナを3本とる必要があって、そうすると音楽が変わり、モグラくんが宇宙服のような衣装を身にまとい、持っているだけのアイテムが使える。アイテムを使えるのは中盤以降となる。
しかし、できることならノーアイテムでクリアを目指したいところ。
ちなみに、クリアまでに歩く歩数が少ないほど得点が多く加算されるので、よりエレガントなルートを探すのもおもしろいだろう。


パワーアップするのはそれだけじゃありません。女の子を連れ、何度か交差しあうとたまごがうまれ、中から男の子が誕生する。クリア時に得点が加算される。



そのたの機能

パスワードはないが、スタート画面で上ボタンを押すと、横に書いてある数字が5面ずつ上昇し、101面からはじめることもできる。だが、非常に難しい。
初めのうちは一画面固定だが、中盤にさしかかると画面が横スクロールするくらいの大きさになり、最後は縦にも横にもスクロールする大きさとなっている。
スタートボタンを押せば、キャラクターを動かさないまま十字ボタンで画面をスクロールさせて全体を把握することができる。


エディット機能もあって、「DESIGN」を選ぶと自分でゲームを作ることも可能だ。画面の大きさは14×11、20×11、30×11、32×20。画面がループする面も作れる。配置が終わったらスタートボタンで画面を抜け、「PLAY」を選ぶとゲームスタート。周辺機があれば作ったゲームをセーブできる。
バナナを配置して、どんなふうにアイテムを使うのか、実際に試すこともできますよ。