ゲーム録

テレビゲームについて語る

 ゼルダの伝説 神々のトライフォース

アクションアドベンチャー
任天堂 1991年11月21日発売 スーパーファミコン
任天堂 2006年12月2日バーチャルコンソールダウンロード開始
NINTENDOSOFT VIRTUAL-CONSOLE

ハイラルの創世記

1986年ディスクシステムで発売されたゼルダの伝説の続編である。任天堂は子供向けというイメージのある海外でも人気があり、マリオにも劣らないキラーソフトだ。
続編といっても、SFC版の内容は初代ゼルダより時代は下がる。説明書ではハイラル王国についてページを割いて説明している。


「力の神」「知恵の神」「勇気の神」はそれぞれ自らの力を象徴する「トライフォース」をつくった。そのトライフォースはそれぞれ紋章を持ち、3つの紋章を手にするふさわしい者が現れるのを待っていた。
いつしか伝説となったトライーフォースの力を悪用したのがガノンドロフであった。トライフォースは手にした者の意志により、善にでも悪にでもなってしまう。騎士団との壮絶な戦いの末、七賢者により魔物を封印。これを封印戦争と呼んでいる。そのときマスターソードが作られたが、それを扱える勇者が現れず、そのままになっている。


それから数世紀、司祭アグニムは善人を装ってハイラル城を密かに乗っ取り、七賢者の封印を解くため、七賢者の血を引く娘たちを生け贄として捧げようとしていた。ハイラル王国の王女ゼルダもそのうちのひとりである。
リンクは地下に幽閉されたゼルダ姫を救出。お尋ね者になりながらも3つの紋章を手に入れ、マスターソードを見つけ出し、司祭に立ち向かう。
……しかし、それはゲームの序盤である。
その後、生け贄の娘たちを救うため、闇の世界にも踏み入らなければならない。



細やかなアクション

基本的なシステムは前作から受け継いでいるが、できることが飛躍的に増えた。
通常のアクションはAボタンに割り振られている。人に話しかけたり、立て看板を読んだりをワンボタンで。


物に近づき、Aボタンを押しながら離れようとすると、引っ張る行動をとる。押して駄目なら引いてみな、ってことで、行き詰まったら、いろんなことを試す。それが「ゼルダ」である。
たとえば、壁にかかった絵画を引っ張ってみると、その後ろにはへそくりが!!なんてことが本当にあるのだ。
道に生えている草や壺を担いで敵に向かって投げることもできる。その下にはハートや妖精、ルピー、爆弾、弓の矢といったアイテムから、敵が潜んでいたり、ハチが襲ってきたり、地雷が仕掛けてあったりと、リンクにとってマイナスな物まである。


ペガサスの靴を取ることによってダッシュすることができるようになる。ダッシュで大きな木に体当たりすれば、ハチや妖精の他にリンゴが落ちてくることもある。手の届かないところに乗っているアイテムを落とすときにも体当たりは有効だ。また、体当たりで積み重なっている石を砕いたりと、用途は広い。
パワーグラブは重い物も担ぎ上げて、通れなかった道も通れるようになる。水かきで水中を泳げようになったり、前作同様、ダンジョンなどで重要アイテムを入手して行動範囲を広げていく手法だ。



攻撃する

一番初めに手にする武器が剣である。剣を振るのはBボタン。何秒か押し続けると力を溜め、回転切りをする。また、Bを押している間はリンクの向きが変わらないので、剣を出したまま前進して草を切ったり、剣を出したまま後退もできる。
Aダッシュしているときも剣を出しているので敵に当たってもへっちゃらだ。
剣がパワーアップすれば、前作同様、ライフが満タンな時に限ってビームを放つ。


魔法を使うには「魔法の力」というマジックポイントが必要だ。画面の左隅にゲージが出ているので、それがゼロにならない限り使うことが出来る。2種類のロッドと、2種類の杖、3種類の全体攻撃魔法がある。また、マントに身を隠したり、魔法の粉で敵の姿を変えたり、カンテラで火を灯したり、攻撃だけでなく「魔法の力」を使う用途は多い。



ビンはなにに使う?

アイテムはYボタンに当てられている。スタートボタンでサブ画面を呼び出し選択する。メイン画面に戻ってもYボタンで使える物がアイコンで示しているのでわかりやすい。魔法のロッドや弓、ブーメラン、爆弾、オカリナといったものがあり、このあたりは前作のシステムとほとんど変わらない。初代ゼルダは良くできてるってことですね。


今作から登場の空きビンはどこかで入手でき、全部で4つある。空き瓶を持って魔法屋へ行き、魔法回復の薬や体力回復の薬を買ってビンに詰める。
虫取りあみがあれば、草や木にから出てきたハチや妖精を捕まえて入れておくこともできる。捕まえた物をアイテムとして使えば、ハチは敵を攻撃し、妖精はハートを7つまで回復してくれる。また、妖精はライフがゼロとなったとき、自動的に復活させてくれるというありがたいもの。


アイテムをアクション的な使い方をするものとしては、クイに引っかけて向こう岸へ渡るフックショットがある。これはなにも杭ではなくとも、敵やドクロや石像などに引っかけてそれの前まで移動することもできる。
杭を地面に打ち込んで平らにし、道を切り開くマジックハンマー、土を掘り返すシャベル、フィールドをワープするオカリナなどがある。



やっぱりアドベンチャー

ゼルダ」は敵を倒していけばレベルアップするというゲームではない。装備は強化されていくが、増えるのは体力を意味するハートの数だけだ。中ボスを倒すとハートの器を手に入れることができる。
そのほかの場所ではハートのかけらというのが落ちているが、こちらは4つ集めて初めてハートの器1つとして機能する。なかなか見つかりにくい場所にあったりして、そこからしてもうアドベンチャーだ。



そして、今度のゼルダは段差構造になっており、ジャンプして飛び乗ることこそできないが、上の段から飛び降りることができる。崖の上から井戸に飛び込んだり、バルコニーのようにせり出た場所へ上から落ちたりと、応用する場面もある。
また、2段階層となっているので橋の下を通れたりする。見下ろし型なので、画面上では橋の真下というのはなにがあるのか見えないのだが、そういった盲点にまで何かがあるので隅々まで探索することが楽しいゲームだ。


落とし穴もあって、場所によってはわざと落ちることによって道が開けたりもする。
敵にダメージを与えたとき、敵が後方へ吹き飛ぶことを利用して、その穴に落としたりすることも可能だ。またその逆で、リンクも弾き落とされることがあるので注意が必要。


パズル部屋はますます謎めいて、ブロックを動かしたり、敵を一掃したり、爆弾で床に穴を開けたり、進めないときはあらゆる手を尽くす。
クリスタルのスイッチがあって、剣で斬ったり、届かないならブーメランで当てたりすると、杭がひっこんだり、落とし穴の位置が変わったりする。


敵への攻撃にも使えるソマリアの杖だが、ブロックを作り出してパズル部屋の攻略にも使う。アイスロッドで敵を凍らせて物体として移動させることも可能だ。また、マントで身を隠せばすり抜けられる場所もあるかもしれない。
とにかく、通常の使い方だけでなく、いろんな使い方をして仕掛けを解いていくのがこのゲームの醍醐味。リンクの大きさといったら、1マスほどだが、そんなことまでできるのか!と、舌を巻くだろう。


おもしろいサブイベントをあげるとしたら、泉に関係することだ。泉といったら妖精。だが、妖精のいない泉では、ルピーを投げ込んで爆弾や矢を持てる最大値を増やしてくれたり、アイテムを投げ込んで、自分のアイテムを正直に答えたらレベルを上げてくれたりする。
また、干上がった泉に魚がぴちぴち飛び跳ねていたら、それを担ぎ上げ、池に返してみると、ルピーをくれるなんてこともある。
何か変わったことが起こったら、なにもないことはないだろう……そう思わせてくれるゲームだ。



闇の世界

ゼルダの最大の制約といったらセーブである。再開するときは決められた場所からのスタートとなり、通常のRPGと違って広大なフィールドをつくることができない。それを打破するためか、こちら側の世界(光)とパラレルワールドのような闇の世界がある。


闇の世界へは一定の場所(魔法陣)からワープするが、光の世界へ戻ってくるときはマジカルミラーというのを使う。戻ってきた場所はきらきらと光っているので、もう一度闇の世界へ行きたいときは魔法陣ではなくとも、そこからも行ける。ただし、ダンジョンに入ったり、ゲームを終了させると消えてしまうようだ。
闇の世界と光の世界は地形が少し違っているので、闇の世界で移動し、そこから光の世界へ戻り、行けなかった場所へも行けるようになるということがある。
それもまた、たいした説明なく、うまくイベントに盛り込んで示してある。


長くなりすぎたが、それだけ手の込んだゲームであり、魅力的なゲームなのだ。
ハチが飛んできたり、土を掘ったり、果物が木から落ちてきたり、「どうぶつの森」をやったことがある人なら、その基礎がここにあることがわかるだろう。きっと他メーカーのRPGも手本にしているところがあるに違いない。



攻略サイト紹介

ゼルデンストライクスゼル伝全般の攻略系サイト
nJOY(エンジョイ)SFC全般の攻略サイトゼルダはハートのかけらの場所等。