ゲーム録

テレビゲームについて語る

 スーパードンキーコング (SUPER DONKEY KONG)

横スクロール型アクション・2Pプレイ可
任天堂 1994年11月26日発売 スーパーファミコン
任天堂 2006年12月12日バーチャルコンソールダウンロード開始
NINTENDOSOFT VIRTUAL-CONSOLE

デジタルコング

1984年にファミコンで発売された「ドンキーコング3」以来、1992年の「スーパーマリオカート」に登場するまでなりを潜めていたドンキーファミリー。冠ソフトとしては94年にゲームボーイで発売された「ドンキーコング」に次ぐ作品、それが「スーパードンキーコング」である。
開発はレア社で、スーパーファミコンの能力の限界に挑戦した作品で、発売前からそのCGの美しさが話題になっていた。


折しもこの年の11月にセガサターン、12月にプレイステーションが発売されている。まだカクカクとしたポリゴンで格闘ゲームをしていた時代だ。なめらかに描画された3Dのドンキーコングが質感のあるデジタルジャングルを駆けめぐる。
ある時は雨が降り、ある時は吹雪の雪山を行き、ある時は夕暮れ時を突き進む。木の上に作られた隠れ家や、洞窟、廃坑、工場、遺跡などコースも様々。


キャラクターが大きいので、画面が小さく感じるが、処理能力の方には問題は感じられない。
このゲームにはタイムがないので、ぼんやりとしていると、ドンキーが胸を叩いて「ウホウホ」と騒ぎ出すのもユニークだ。
マリオとドンキーコングの生みの親である宮本茂氏によると、ドンキーコングはどこか間抜けなイメージでつくったという。このころより、宮本氏からドンキーコングが巣立っていき、開発が他社に任されることが多くなったが、赤いネクタイをしめているのは宮本氏の提案だという。



主役は2代目?3代目?

マリオと一戦を交えたことのあるドンキーコングは、今では年老いてへりくつの絶えないおじいちゃんになっている。このゲームでは初代はクランキーコングと呼ばれ、実際にプレイするドンキーコングは名前を世襲したようだ。そして相棒には新キャラ、ディディーコング


バナナ倉庫の見張り番をしていたディディーコングであったが、クランプ・クレムリン軍に襲われ、バナナを奪われたあげく、タルに閉じこめられてジャングルに投げ捨てられた。軍団はバナナを落としながら逃げていったので、ドンキーコングがあとをおう。


ディディーコングはすぐに仲間になるので大丈夫。
道に落ちているDKと書かれたタルを壊すと、閉じこめられていた相棒が出てくる。相棒はプレイヤーの後ろにくっついてきて、いつでもAボタンで交代できる。プレイしている方が敵と接触してミスになると、自動的に後ろに付いてきている相棒をプレイすることになる。DKバレルを見つければまた仲間になるというシステム。


ドンキーの方が体が大きく、踏みつけられる敵も多い。ディディーコングは軽やかに動き、ジャンプも幅も大きい。状況によって使い分けていくのだが、ジャンプする場所が多いのでディディーコングの出番の方が多いか。
どちらも転がって攻撃ができ、タルを拾って投げつけられる。ドンキーのみハンドスラップができて、地面の下に隠れている物を見つけるというが、あまり使う機会はない。


また、2人でもプレイすることはできる。対戦はどちらが多くコースをクリアするかを競い、協力プレイはドンキーとディディーをふたりで交代しながらプレイする。



目指すは101%

コースをクリアした後は、マップを移動して次のコースへと進む方式をとっている。そのとき、コース名が表示されるのだが、その名前の後に「!」マークがつくと、そのステージでのボーナスステージをすべて発見したということがわかるようになっている。
それらはゲームの達成度に関係していて、隠しステージを見つけ、コースをクリアすることによって達成度が上がっていき、コンプは101%となっている。クリアしたコースもまたプレイでき、「スーパーマリオワールド」と同じように、一度クリアすればコースから好きなときに抜け出せる。


マップは2種類あって、レベル1〜を移動するマップと、そのレベルのコースを移動するマップがある。ファンキーコングの小屋では、レベル間を移動するマップへ戻れて、クリアしたところまでのレベルを行き来できる。
そのほか、クランキーコングの小屋では小言じみたヒントが聞ける。キャンディーコングの小屋ではセーブが可能。



愉快な仲間たち

木箱には仲間となってくれる動物が入っている。背中に乗って操縦する。敵に接触してしまったら逃げ出すので、また背中に乗ることができれば一緒に行ける。このあたりは「スーパーマリオワールド」のヨッシーと同じですね。



サイのランビは角で敵を攻撃。ボーナスステージへの入り口の壁を壊す。
ダチョウのエクスプレッソは素早く走り、空中をゆっくり下降していくことができるので、行けなかった場所に行けることもある。
カジキのエンガードは海での動きが速く、口の先で敵を攻撃する。
カエルのウィンキーは跳躍力がある。ただ、移動も始終跳ねているので扱いに注意が必要。
オウムのスコークスは、明かりのない洞窟をライトで照らす。



ボーナス

ボーナスとしては、そこかしこに落ちているバナナは100本とると1up。
1コース中にあるK,O,N,Gの4つのパネルをすべて取ると1up。
ふわふわと上空に舞っていくバルーンもその色によってプレイヤー数が増える。


アニマルトークンと呼ばれる、金色の像がコースのどこかに落ちている。サイ、ダチョウ、カジキ、カエルの4種があり、それぞれ3つ集めるとその時点でボーナスステージへと移される。
これは達成度にカウントされるものではなくて、このボーナスステージではミニトークンが山ほど落ちているので、これを100個集めるごとに1upする。


ちなみに、隠しボーナスステージでは、3つのタルのうち、どれにバルーンがあるか当てるとか、ルーレットでKONGの4文字をそろえるとか、簡単なもの。

タル

ドンキーコングといったら、タルである。初代「ドンキーコング」ではタルを投げつけてマリオを攻撃していた。そんなこともあってか、至る所にタルが落ちている。
先にも書いたDKバレルは相棒が閉じこめられている。
TNTバレルは爆薬が入ったタルで、投げつけると爆発するので、ボーナスステージへ行く壁を壊すのに使うこともある。
鋼鉄製タンクは投げても壊れずに転がっていく。うまく飛び乗って玉乗りのように走っていけば、回転しているタルが敵を弾き飛ばしていく。


タル大砲は主に空中に浮いていて、ジャンプして中に入るとドンキーコングが弾のように飛び出す。プレイヤーが操作して飛び出すタイプと、入ると自動的に飛び出すものがある。
燃料タンクは工場などにある動くリフトの燃料となる。リフトに乗って移動中に取るようになっていて、取り損ねるとリフトが落ちてアウトとなる。


そのほか、ジャンプ台のような役割をするタイヤがあったり、トロッコに乗ってコースを進んでいったり、バラエティに富んでいる。海中のステージは、当然ながら水中でジャンプやローリングができないので、攻撃が効かない難しさがある。エンガードを仲間に出来れば心強い。


やはり、キャラクターが大きくなってしまっているので、スピード感がなくて残念ではあるが、背景が丁寧に書き込まれているので、独自の世界観を作り上げたというかんじになっている。



移植作品で遊ぼう


スーパードンキーコング
 GBA 2003.12.12