ゲーム録

テレビゲームについて語る

 プロジェクトハッカー 覚醒 (PROJECT HACKER)


プロジェクトハッカー 覚醒

アドベンチャー
任天堂 2006年7月13日発売 ニンテンドーDS
NINTENDOSOFT

どんなストーリー?

主人公はハッキングの得意な雨坪サトル。携帯電話会社の陰謀に巻き込まれ、真相を暴くために証拠を入手する。
不正アクセスはたびたびあったものの、情報の書き換えやダウンロードなどをしていなかったことからその能力を買われ、IT犯罪を取り締まる国際組織GISの日本支部にスカウトされて捜査官となる。相棒はパソコンには無頓着な幼なじみの女の子。


初任務は、殺された男が持っていた、壊れたPDAの復元。調べていくうちにある人物が豪華客船のパーティに紛れてマフィアと何かを取引することがわかったので潜入捜査をする。
そのほか、ハッキングによって会社の40億円を自然保護団体に勝手に寄付されていた事件の真相、病院のコンピューターシステムに送り込まれたウィルスや、電波通信によってハイジャックされた旅客機、セキュリティーをハッキングされ乗っ取られた米軍基地などを調査していく。



捜査の基本

主人公が持っているツールは、まずはメモ帳。タッチペンで書いた手書きの文字のメモが4ページ保存できる。ただ、メモ帳を開くと下の画面に表示されるので、それまで下の画面に表示されていた情報を同時に見ることが出来ないのでそこが不便。


そして常に持ち歩いている小型のパソコン。
ゲーム内にある約100のWEBサイトの閲覧が可能。サイトの中から必要な情報を探していくのだが、探し当てるのは容易である。閲覧の仕方はDS用のブラウザとほぼ同様で、タッチペンでページを上下に動かしたり、リンクをタッチしたりする。
あと、GISの仲間へのメール送信ができる。メールも連絡を取り合うぐらいのもの。

調査の基本は関係者への聞き込み。
選択肢は下の画面に表示されるので、項目をタッチペンで。
知らない場所へと移動するときは、その会社のホームページを調べて位置を確認する。パソコンなどのロックを解除するときも、関連のHPをあたってパスワードを入力するので、暗号というほど複雑なものでもない。


妨害プログラムの破壊。
プレイヤーはもちろん、プログラムを作ることなど出来ないので、具象化したファイアーウォールやウィルスなどを壊滅しいていくことになる。
それはタッチペンを使ったアクション系のミニゲームで、いくつか種類がある。時間内にクリアしないとゲームオーバーだ。

感想は?

序盤のストーリーは、展開がダルいし、キャラクターも軽い。「逆転裁判」はキャラクターとゲームがマッチしていたが、どうにも違和感。だって、IT犯罪を暴く国際組織だよ。
ITセキュリティーは万全でも、なぜか人物によるセキュリティーが甘くて、どんな場所にもほいほい潜入。キャラクターの軽さで詰めの甘さを隠している感じ。
だけど、核となるネタはいいので、ゲームとしての構成がよくなかったんだと思う。


ゲームの進行はほとんどコマンド総当たり。ソフトには「推理力、分析力が試される仕掛け満載の新感覚アドベンチャー」とあるが、謎解きがすっかりパターン化。WEBサイトからの情報収集をもっと凝ったものにしてほしかった。


ミニゲームはどうだろう。このゲームを買う人はアドベンチャーが好きな人が大半だろうから、パズル寄りにしたほうが良かったと思う。
たとえば、対になるウィルスとワクチンを選択する高速神経衰弱とか、ウォーリーを探せのようなゲームだとか。ニュースーパーマリオについていたオマケのミニゲームの方がよっぽどおもしろかった。


謎の男Blitzについて。
天才クラッカーであり、主人公がずっと追いかけている人物。すべての事件に関与し、ことごとく逃げられている。だが、最終章、ついにチャットで接触を果たす。
彼のポリシーは仕事はエレガントに。裏組織と手を組んでいた彼も、美しさもユーモアもない組織にはそっぽを向く。そんな彼が主人公には興味を持ったらしい。
けど、結局は捕らえることが出来ず、続編を匂わせる終わり方。このままBlitzが逃げ切ってほしいと思う。ルパンと銭形刑事のようにね。


で、クリア後の特典はゲーム中に出てきたミニゲームに挑戦できることと、ランク評価の閲覧。
全5章で、各章ごとにランク評価(S,A,B,C)がある。おそらくはパスワードやロックを一発で解除したり、ミニゲームを好成績でクリアすることが必要になってくると思われる。
だが、やっているうちに評価の最大のポイントはミニゲームという気がしてきた。最終章以外をSランクにしたが、おまけがまた増えたりするのだろうか?