ゲーム録

テレビゲームについて語る

 ロマンシング サ・ガ2 (Romancing Sa・Ga2)

ロールプレイングゲーム
スクウェア 1993年12月10日発売 スーパーファミコン
スクウェア 2010年3月23日バーチャルコンソールダウンロード開始
SQUARESOFT VIRTUAL-CONSOLE

一大叙事詩

古代人を救った七英雄と呼ばれた者たちはいずこへか消え去り、その存在は伝説として語られるだけとなった。
七英雄のひとりであるクジンシーが現れたがモンスターを率い、町を占領している。
皇帝レオンは息子を殺され、討伐のために自ら戦いに挑もうとする。
だが、クジンシーには一瞬で命を奪ってしまう技があった。


皇帝の目の前にオアイーブという謎の魔道士が現れ、「伝承法」を伝授した。
これは自分の跡を継ぐ者に自分が取得した技術を身につけさせることができるというものだった。
レオンは命をかけてクジンシーの技を見切り、その見切り技を息子に継がせ、クジンシーを初めとする七英雄の討伐を、のちの後継者たちにゆだねることにしたのだった。


前作では謎の吟遊詩人のハオラーンが主人公たちの行く先々に現れ、現在ではすでに神話となってしまっている神々の戦いをうたい、時には道しるべとなって悪神との戦いに決着をつけるよう、促しているようでもあったが、今作はオアイーブが七英雄を打破するための技術を与えながら、帝国に七英雄を倒す使命を与えたともいえ、歴代の皇帝による七英雄討伐の壮大なストーリーに仕立てられている。


プレイヤーが名前を入力した最終皇帝がゲームの冒頭で、酒場の片隅で詩人がうたう帝国の歴史を聞いているが、まさにこの歴代の皇帝たちが築いてきた「歴史」をプレイヤーが体感するのだ。
最終皇帝がいる酒場から一転、時代はレオン皇帝にさかのぼる……



領土と開発

城の中には情報を収集する機関があり、そこにいる者たちから情報を聞きどう対処するか自分で行動を決める。
王位を継承したときや、王座に腰掛けたときにも緊急事態を知らせに来る者がある。
どれを優先させるかはプレイヤー次第だ。
他の領土で魔物の巣窟を一掃したり、手助けになるようなイベントをこなしたりするとその地域が帝国の領土となったり、協定を結んだりできる。


領土が大きくなると得られる税収が増え、国のお金を使って研究所や学校を建設したり、術や装備品の開発を行うことができる。
武器や防具は完成したときに1つもらえるが、それ以外はしばらく時間が経過すると量産され、帝国のお膝元であれば無料で手に入れられるが、開発には結構お金がかかる。
とはいえ、貧弱なままでもいられないので、開発はほぼ必須ともいえる。


また、その領土に特殊な業種を持つ者たちがいれば皇帝の継承者としての候補に挙がってくる。
格闘家やアマゾネス、サラマンダー、武装商船団などがいて、それらの集団や職業のことをクラスという。
クラスによっては特殊な戦闘陣形を持っており、そのクラスの者が皇帝になれば使えるようになる。
移動はワールドマップから直接行きたい場所に行けるようになるので便利だ。



伝承法

伝承法は永遠ではなく、引き継がれる代には限りがある。
伝承法を手にした皇帝レオンから物語は始まり、ゲーム開始時にプレーヤーが入力した名前を持つキャラクターの登場をもってその能力は尽きる。
レオンから第二皇子ジェラールに引き継がれ、その後はランダムに選ばれた4人の中からプレイヤーが1人を選び、王位を継承していく。
初めは帝国内にいる帝国重装歩兵や宮廷魔術師といった者たちが候補に挙がるが、術法研究所を作って新しいクラスをつくったり、帝国の領土を広げるうちに様々なクラスが皇帝になれる。


王位が継承されるのはパーティが全滅したときと、皇帝のLPが0になったとき。
LPとは戦闘においてHPが0になって「気絶」してしまったときに-1となり、HP回復の呪文を書ければ復活し、そのままにしておいてもLPが0にならなければ戦闘終了後に自動で復活する。
なお、死亡している最中に敵からの攻撃を1回受けるごとに-1となる。
LPの数値はキャラクターによって違い、皇帝以外のメンバーがLP0となった場合は復活しないが、城などで新たなメンバーをくわえることができる。
皇帝が死亡した場合でもゲームオーバーとはならずに次の皇帝へと王位が引き継がれ、ゲームは続行する。
だが、死んだ皇帝のパーティで取得した見切り技とひらめいた特技は継承されない。


伝承法が有効となるのはいくつかイベントをクリアし、強制的に次の皇帝へと移る場合のみである。
そのときは数十年から数百年のときが流れていることになっている。
最後の皇帝はLPが0になったり、パーティが全滅してしまうと、伝承法が次へ引き継げない理由からそこでゲームオーバーとなってしまう。


伝承法は皇帝だけが取得した技だけでなく、パーティが取得した技も伝承される。
伝承は城の中の機関によって掌握されており、この技道場で新しい皇帝やパーティに技を身につけさせることが可能となる。
現在のパーティによって取得した新たな技はここでは扱われていない。
あくまで伝承法によって引き継がれた過去のものだけである。なので、重要な技をひらめいたキャラは、がんばってLPを0にさせないようにして継承させなくてはならない。



パーティを組む

王位を継承したらひとまずパーティを組む。
皇帝の他に4人をくわえることが可能だ。
パーティに参加する者は城の中の詰め所に常駐している。
話しかけると自分は大剣が得意、槍が得意などとアピールしてくるので、パーティにくわえたければOKを出す。
得な武器を持たせた方が相性がよく、技をひらめく。
領土を広げていれば、各地に出向き、種族の長に話しかければパーティに加わってくれる。


1つのクラスには8人名前を持ったキャラクターがいて、同じクラスであってもステータスが微妙に異なったり、持っている技能・術が多かったりする。たとえば歩兵は普通術が得意ではないが、初めから風の技を習得している者もあるのだ。
8人のうちのどのキャラクターが詰め所にいるかはランダムだ。



戦闘と陣形

陣形とはパーティの並び順のこと。
ノーマルな陣形は横一列に並んでいるが、仲間が増えると陣形の種類も増える。
先制攻撃をする陣形、前列で守りを固める陣形、皇帝の術法を強力にする陣形などがある。
敵からの横一列の攻撃等、陣形によって被害の大小も異なる。たまに陣形をかき乱されることもある。


戦闘は敵シンボルとの接触で始まる。
場所によって敵レベルが変わるのではなく、戦闘すればするほど敵のレベルが上がっていく。
武器は一人につき4つまで所持することができ、コマンド入力時にどの武器で攻撃するかを選ぶ。
回復薬は武器として装備した物のみ戦闘で使うことが可能。
防具は一人につき3つ。キャラクターによっては最初から装備していて外せないものがある。
だが、外せない代わりにそれ以外に3つまで装備させてあげられる。
戦闘終了後は全員のHPが回復し、LPが0でないときと、全滅以外の時は死亡していた者は自動的に復帰する。



レベルアップとひらめき


武器の種類は大剣・剣、小剣・槍、斧・棍棒、弓と、素手で戦う体術があり、それぞれに必殺技というのがある。
それは戦闘中にその武器で攻撃するときに突然頭の上に電球が光り、技をひらめく。
敵の強さや自分の強さにも関係しているのだが、技はまったく唐突にひらめくのだ。
それがこのゲームのおもしろいところ。
また敵から特殊攻撃を仕掛けられたとき、それをかわす見切り技をひらめくこともある。
これらの技が伝承法で継承される対象となるのだ。


見切り技は備えておくだけでその技を仕掛けられたときに自動でかわす。
必殺技は攻撃するときに選んで使い、ほとんどが技値を消費する。
技道場で覚えた技も含め、1人8つまで技を持つことが可能。
8つが最大なので全部欄を埋めていると技もひらめかない。
その場合は持っている技を封印するといいのだが、まだ伝承法で受け継がれていない技を消してしまうと引き継がれないので注意。


武器はそれぞれ斬る、突く、殴る、射る、体術の技術に分かれており、戦闘で使用した武器によってこれらの項目の技術が上がっていく。
技量が上がればレベルアップし、大きなダメージを与えるようになる。
キャラクター自身にはレベルという概念はなく、HPや技値、術値は戦闘終了後におのおの単独で数値が上昇していく。
素早さや力などのステータスは固定で、装備品でプラス効果となるものもある。
なので、防御力は防具で上げていくしかないのだ。



術法

術には火、水、風、地、天、冥があり、相反する術を同時に覚えることはできない。向き不向きはあるものの、とりあえず誰でも術は扱える。
武器と同様に使った種類だけレベルアップする。
術研究所では今開発できる術の提示をしているが、開発にはお金がかかる。
また、あまり使っていない術は開発できる術も少ない。
開発した術を使いたいときはここへ出向いて身につけさせる。
戦闘中に覚えたりひらめいたりはしない。
術には掛け合わせというのもあって、火と風の掛け合わせ「熱風」などがあり、これにもまた開発費がかかる。



ゲームを進めやすくするために

防具でしか防御力が上がらないので、戦闘は結構厳しいものになる。
HPが削られないうちに戦いを終わらせる短期決戦のほうがよいので、1人でいくつもの武器レベルをあげるよりパーティに割り振ってそれぞれ1つの武器レベルを上げていく方がよい。
次の皇帝に引き継がれる要素としては、前皇帝が持っている技だけでなく、身につけている術、鍛えた武器レベルと術レベルはそのままそっくり引き継がれる。
HP、技値、術値は前皇帝と次の皇帝と比べて数値が上の方が採用される。
その点を考慮すればHPの高い帝国重装歩兵選んだり、術値の高い宮廷魔術師を選ぶと敵と戦わずして実質の皇帝のレベルが上がることになる。


また、皇帝以外のメンバーが取得した武器レベルや技レベルは、次世代への継承の基準となる。
たとえば、前皇帝は弓を装備せずレベルが0であっても、前皇帝のメンバーの誰かが弓レベルを10まで上げていたら、次世代では弓が得意な帝国猟兵などは弓レベルが8ぐらいになっているので、次の皇帝に帝国猟兵選ぶとやはり弓レベルが一気に8まで上がる。
一番お得なのはなんでも起用にこなす帝国軽装歩兵だ。
このクラスを次の皇帝にすれば斬、突、殴、射のレベルがまんべんなく前皇帝のパーティのレベルから継承されることになる。


イベントで皇位継承できる回数は限られているので、できればこの段階で何回かわざと皇帝を全滅させた方がいい。
前記のようなメンバーを皇帝に選んでは死なせ、各能力を限界まで上げて、最終的に腕力の高いフリーファイターなどを皇帝にしてゲーム再開するとやりやすくなる。
なぜなら、腕力などのステータスは戦闘でレベルアップせずに固定であるからだ。
ただ、次の皇帝候補にあがる4人はランダムなので、何回か無駄な死をさせることがあるかもしれない。
思い通りの継承者候補にするには次に皇帝にさせたいクラスをパーティにいれておき、パーティを全滅させずに皇帝のLPを0にすること。
そうすれば仕様として、次の皇帝候補にはパーティのメンバーが含まれるのだ。


シナリオも自由で楽しいが、王位継承イベントと必殺技のひらめきも楽しく、古いゲームながら熱中してしまう。