ゲーム録

テレビゲームについて語る

 テイルズオブファンタジア (TALES OF PHANTASIA)

ロールプレイングゲーム
ナムコ 1995年12月15日発売 スーパーファミコン
NAMCOSOFT

時空を超えた戦い

精霊の森にある世界樹ユグドラシルは魔術の源となる「マナ」を生み出していた。
しかし、今はその樹は枯れてしまっている。
主人公クレスの村は何者かによって滅ぼされてしまった。
敵は父からもらったペンダントを狙っているらしい。
その昔、マナの力を悪用しようとしていたダオスを封じるのに使われたのだ。
悪の手によって再びダオスは復活。
クレスらは一時的に避難するために過去へと時空転移した。
そこではまだかろうじて世界樹が残っていた。
クレスは村人の仇をとるため立ち向かうものの、ダオスを倒すには魔術が必要だった。
魔術を使えるのはエルフと、エルフの混血児だけである。
魔術を扱える仲間を求めて旅が始まった――。



リニアモーションバトルシステム


戦闘は横2画面分を使い、コマンド方式とアクションの中間のようなスタイルだ。
戦闘が始まると画面に敵が見えていないこともあるので、方向キーで敵に近づくことが可能だ。
フェンシングをイメージしたらいいだろうか。
左右に移動しながらうまく敵を斬っていくという感じだ。
通常は左側にプレイヤーがいて、その前方にいる(つまり右側にいる)のが敵という配置になっている。
不意打ちされると敵が左に回り込んでいたり、挟みうちにされていたりしており、パーティの一番後列にいる者が攻撃を受けやすくなる。


主人公は魔術が使えないので武器による攻撃のみとなり、プレイヤーは主に主人公を操作する。
敵が見えていなくてもAボタンを押すと前方の一番近い敵まで走っていき、武器で攻撃する。攻撃後は元の場所まで戻ってくるが、そのときに反対方向を押せば立ち止まる。
敵との距離によってL(ロング)レンジとS(ショート)レンジの2種類の攻撃方法となる。
Lレンジの場合はジャンプして斬りかかり、浮遊している敵にも楽に斬りかかれる。
Aボタンと同時に上ボタンを押せば突き攻撃となる。突きの場合は敵との間合いが取れるので、反撃されにくい。
というのも、攻撃後は少し動けない時間があるからだ。
Aボタンを2回押せばより強力な打撃となる。
敵も随時攻撃をしてくるので、Aボタンで攻撃をなぎ払うことも可能だが、何もボタン操作していなければ盾などで回避することもある。



仲間の戦術

仲間はあらかじめメニューで戦術を決めておき、オートで戦闘する。
術を使うのが中心のキャラクターが多いのだが、自分で移動は行わず、「術を使うな」と設定しておいたら自分に敵が近づくまでは武器による攻撃をしてくれないのが不満なところだ。
術はTPを消費するが、戦闘終了後にほんの少しTPが回復するので戦術を変えながら進めていくといいかもしれない。


メニューでは戦闘時に使ってはならない魔法を決めておける。
雑魚との戦いではTPを多く消費する術を使わないようにしておけるのだ。
あとは、戦闘中にコマンド入力で仲間に術を使わせることが可能だ。
「術を使うな」としておいても、いざというときには術が使える。
ただ、リアルタイムで進行していってるので、主人公の操作がおろそかになるというのはある。
通常の戦闘はいいのだが、ボス戦はかなり手強く仲間がうまく機能しなくてあっという間に全滅なんてことはままある。



特技

主人公はレベルアップすると特技を覚える。
メニューでSレンジの突きと斬り、Lレンジの突きと斬り、4種類の特技をセットしておくことができる。
特技はBボタンで発動。通常攻撃と同様に、敵との距離と上ボタンを押しての突き攻撃と使い分けが可能。
連続攻撃技の場合、攻撃の最中に敵から攻撃を受けてしまうと途中で途絶えてしまう。
また、攻撃を受けて後退してしまう敵だと数回空振りしてしまうこともあるし、敵が飛んでいるなどいる場所によっても攻撃が当たらないこともあるので、タイミングの見極めも重要。
特技はそれぞれ使うと修得率が上がり、100%になると合わせ技が使えるようになる。
合わせ技を覚えるにはその極意が書かれた書物が必要で、レベルアップでは覚えない。


また魔術も書物を入手したり誰かに教わって覚えていく。魔術はアーチェのみ使える。
召喚術の場合は手間がかかる。精霊を呼び出すには精霊との契約が必要で、それには「契約の指輪」が必要になる。指輪を入手した後精霊に会うと召喚術が使えるようになるのだ。
精霊にはシルフ、ウンディーネ、ノームなどがいて、人間にも扱えるのだが、パーティの中ではクラースのみ召喚できる。
魔術とは系統の異なる法術を使うミントはレベルアップで新しい術を覚える。



感想


フードサックに食べ物を入れて歩くとその分だけ仲間のHPが回復していたり、戦闘も独特だったりするのだが、王道的なストーリーとイベントに取っつきやすさがあり、キャラクターにもへんなクセがなくて、「テイルズシリーズ」にちょっと偏見があったなぁと反省した。
不思議なダンジョンシリーズにあるような、入手時に鑑定されていない武器というのもあって、あるアイテムで正体がわかるようになるのもおもしろい。


戦闘時に法術を唱える声などが使われていたり、ゲーム中に音声付きの主題歌が流れていたりと、こだわりを感じる。
グラフィックも非常にきれいで、水面に人影が映ったり、トンボが飛んでいたり、トカゲがウロウロしていたり、船内では画面がゆったりと揺れていたりと、表現も細やか。
テイルズシリーズはいろんなハードから出ているが、ほとんどナンバーがふられていないのは戦略だろうか。
シリーズの途中から始めるのって、ちょっぴり抵抗あるんだよね。
仲間の戦略がもう少し細かく設定できたら良かったのだが、戦闘がサクサクと進んで長引かないのがいいところか。



ジャケット
テイルズ オブ シンフォニア ラタトスクの騎士