ゲーム録

テレビゲームについて語る

 ゼルダの伝説 風のタクト (LEGEND OF ZELDA)

アクションアドベンチャー
任天堂 2002年12月13日発売 ゲームキューブ

NINTENDOSOFT

大海原

ハイラル王国を舞台にした大地を冒険する物語であったゼルダの伝説だが、今作は船に乗って島々を渡り歩く異色作である。


悪しき者を退治した時の勇者。(これは「時のオカリナ」を指しているようだ)しかし、また魔物が復活した時、人々はただ祈るばかりで、勇者は再び現れなかった。その後、王国がどうなったか知るものはない。
だが、ある国では男の子が大きくなると緑の衣を着て祝う風習があるという。

今回の主人公はその風習が残る島で育った少年だ。妹がさらわれ、幽閉されている島へと乗り込む。しかし、まだ少年には太刀打ちできる相手ではなかった。
赤獅子と名乗るしゃべる船に助けられ、少年はこの国の過去を知り、悪しき者から世界を救うべく使命を課せられた。



トゥーンレンダリング

時のオカリナ」「ムジュラの仮面」から一転、リアル系の描画からアニメチックな描画へと変わった。
しかし、ほぼすべてが3Dで表現されており、キャラクターの表情も動作も多彩だ。中ボスを倒した時、飛び上がって喜ぶ動作をしたり、砂埃や風の描写もアニメチック。
だが、壁に張り付いて横歩きをして、角のところでそっと覗くような仕草をしたり、敵も闇雲にかかってくるのではなく、間合いを取って斬りかかってきたりと、リアル系と遜色ない。



海に沈む財宝とチンクル

イベントに関係ない島々にはお宝が眠っていて、それをスルーするのも、全部頂くのも自由。仕掛けを解いたり、島の大砲を壊したりすると現れる宝箱もあって、その中にはルピー(お金)やハートのかけら、財宝マップなどが入っている。


広大な海のマップはそれぞれのエリアで泳いでいる魚にエサをやるとマップを書いてくれる。そのマップと、他の場所で手に入れた財宝マップを比べると、海に沈んでいるお宝の位置がわかるので、フックで釣り上げる。
そのほかにも海に小さな光のリングが現れていることがあって、ここの下にもお宝が眠っている。近づくと光が消えるので、手探りでゲットする。

物語の途中、チンクルという緑の服を着た男と出会う。ゲームボーイアドバンスを本体に繋ぐとチンクルからゲームのヒントを聞くことが出来る。ダンジョンの中でも行き詰まりそうな場所でどんな道具を使ったらいいのかヒントをくれるので、「時のオカリナ」のナビィのようでもある。
また、爆弾や回復アイテムもその場でルピーを払って買うことが出来る。アドバンス側でポイントを動かして、通常では入手できないアイテムを見つけることもできる。


アドバンスがなくてもチンクルはある島にいて、そこではイベントで必要なマップを解読する役割を担っている。なぞの男なのだ。



ニテン堂ギャラリー

アイテムとしてカメラを入手すると、写真を撮れるようになる。一度に3枚までしか撮影できないが、島の人々や敵を撮影してニテン堂の主人に見せればフィギュアをつくってくれる。
コンプリートすれば主人公リンクと赤獅子のフィギュアを特別に作ってもらえるのだ。



特殊攻撃

剣だけではなく、アイテムでも攻撃することが出来るが、カギフックは敵が持っているお宝を奪い取ることが出来る。ブーメランで敵の動きを止めたり、デクの葉を仰いでプロベラで空を飛ぶ敵を失墜させたり、ミラーシールドで太陽光を反射させて敵の状態を変えたりと、移動や仕掛けを解く以外の使い道が多いのも特徴だ。


剣やナタ、棍棒などを持った敵は攻撃した時、武器を落とすことがある。そのまま素手でかかってくることもあるが、少し離れると武器を拾いに行く。その前に自分が拾って遠くへ投げ捨てたり、その武器を持って相手を攻撃することも可能だ。


剣を握って敵に注目し、様子を見ていると、コントローラーがブルッと震えることがある。このとき、敵が攻撃してくる合図なので、Aボタンを押すと敵の攻撃をかわし、そのまま回り込んだりジャンプしたりして攻撃をする。
強い敵には落ち着いてこの方法で斬りかかった方がよい。
また、剣で斬りかかって連続で3、4回ぐらい斬るとエイ、ヤーと、自動でジャンプして斬りかかったり、アニメーションを強く意識したような動きになっている。


本編シリーズにしては異色作といえるのではないだろうか。ダンジョンの謎解きももちろんあるし、ゼルダらしいが、斬新さもあって違うゲームのタイトルでもいいくらいだ。
イベントは少なく、自由度は高い。ただ、それだけに、物足りなさも感じてしまう。後半はマスターソードに力を取り戻すために2人の賢者を復活させること、そして8つに砕かれたあるものを拾い集めること、それが一度に課せられ、その後はラストダンジョンへと挑むことになる。
もう少しストーリー的にも作り込んでもらいたかったが、楽しいゲームであった。



ジャケット
ゼルダの伝説 風のタクト