ゲーム録

テレビゲームについて語る

 大乱闘スマッシュブラザーズX

格闘アクション・4P同時プレイ
任天堂 2008年1月31日発売 Wii
NINTENDOSOFT WiiReview

初心者にも

格闘ゲームはまったくやらない私です。スマブラも今までプレイしたことがありません。
いうまでもなくスマブラWiiを牽引するソフトで、マリオを超える注目度といえるかもしれません。
なんでそんなに人気なのか……と、考えるよりやってみましょう。


ということで、まずは大乱闘と呼ばれる4人同時に戦うゲームをやってみたが、はじめから勝てるはずもなく、これは失敗したかなぁと思いながらも、隠しキャラを出さないことには始まらない。
なんたって、外部参戦のスネークもソニックもはじめから使えないのです。


しかし、やっていくうちにダメージの与え方のコツなどがわかってきて、キャラクターを使いこなせるようになってくると、次第にハマってくる。
3Dのマリオギャラクシーよりは確かにとっつきやすいのかもしれない。
ぱっと見た感じは真横から見た2Dだ。プレイヤー全員が画面内に収まるようになっていて、プレイヤーが密集しているとアップになり、プレイヤー同士が離れると自動的にカメラが離れたようになってキャラクターが小さくなる。
ステージが広いと小さくなって見にくくなってしまうこともあるが、まぁ、それぞれ個性的なステージでよいと思う。


フィギュアやシールなどの物集め要素や、戦いのとっておきのシーンを静画面で保存したり、そのときのプレイ動画までも保存しておけて、格闘ゲームだけではないおもしろさが子供たちをも惹きつける要因になっているようだ。



操作する

コントローラはリモコン単体と、ヌンチャクをつなげたスタイルのほか、別売りのクラシックコントローラゲームキューブのコントローラにも対応している。
こんなふうにできたのも、操作が煩雑ではないところにあるのかもしれない。


通常に攻撃するのはAボタン。連打すればコンボとなってめった打ちする。
必殺ワザはBボタン。長押しすれば力も溜めるし、方向レバーと組み合わせれば違った必殺ワザを繰り出せる。
もちろん、必殺ワザはキャラクターによって異なる。
コントローラによって操作ボタンは違うが防御もできる。シャボン玉のようなシールドに包まれて攻撃をカットできるが、多用していたらシールドは壊れてしまう。
つかみワザは相手をつかんでヘッドロックのようなポーズを取ったりして、相手を拘束しつつダメージを与える。
初めのうちはCOMレベルを下げておけば高度なワザも使わなくてもなんとかなる。


レーニングモードもあるので、そこでキャラクターを使いこなすための練習をすることが可能だ。
COMの練習相手がどんな行動をとるのかを設定しておけるので、攻撃しないとしておけば、邪魔されずに必殺ワザを試せるというわけだ。



大乱闘


どんなゲームかといったら、ほかの格闘ゲームと同様相手に多くダメージを与えるのが基本操作だ。
ダメージを与えられるとパーセンテージとして蓄積されていく。しかし、どれだけダメージを与えられても倒れることはないというのが特徴だ。
勝敗をどうつけるかといったら、相手をステージから落とすこと。それだけ。
たいていのステージは浮遊している状態なので、そのステージからあやまって落ちてしまったり、画面の外に吹き飛ばされてしまうとアウトとなる。


パーセンテージが大きいほど打撃を受けたときにより遠くに突き飛ばされてしまう。
100%を超えると耐性が低くなるので、ここぞって時にはスマッシュ攻撃する。
決まればバットでボールを打ったときのように相手が場外へとぶっ飛ばされる。
ふっとばされた側は、あきらめずにステージに復帰しよう。
ジャンプボタンを連打し、必殺ワザの空中移動を使ったりすれば、戻れることがある。
受けていたダメージが少ないほど復帰率は高くなる。


そもそも、スマブラはジャンプしたのち、空中でももう一回ジャンプできるのだ。
カービィなどキャラクターによっては数秒間上空を飛んでいられる者もあるし、リンクはワイヤーフックを引っかけて登ってきたりと、復帰のしやすさやふっとばされにくさなどはキャラクターによるところも大きい。


相手をふっとばすのはホームランを打ったときのように爽快だし、何度も復帰してくる相手だと「しぶとい!」と叫びたくなったり、倒れるまで打ちまくる格闘ものとは違って、なかなか楽しいゲームだ。
4人同時対戦というのも混乱を極めていて、ときどき自分がどこにいるのかわからなくなったり、偶然に勝ってしまったりなんてことも起こったり、それはまぁ予想不能のゲームなのだ。



ルール変更

大乱闘では3つのルールで遊べる。(条件を満たせばのちにルールも追加されるようです)
「タイム制」は決めた制限時間内にできるだけ多く相手を撃墜させた者の勝利となる。
撃墜させると+1となり、逆にステージの外に吹き飛ばされたり、ミスして自ら落ちてしまった場合には−1となり、合計得点が多い者の勝ちになる。
制限時間まで何回ふっとばされてもリスタートできるので、多人数でやったとき、初心者が早々と負けてしまい、指をくわえて見ている状態にならなくてもいいのでみんなで楽しめるモードだ。
同点の場合はサドンデスとなり、ダメージが300%の状態からはじまるので、先にスマッシュ攻撃を加えた方がほとんどの場合勝利となる。


「コイン制」はより多くコインを入手した者の勝ち。
攻撃を受けると所持していたコインを落とすので、それを拾い集めることになる。ダメージが大きいとお札がひらひらと舞い降りることもある。
他人が落とさせたお金を横取りする戦法でもなんでも最終的に多く拾った者の勝ち。
撃墜されると所持していたコインが半減するというペナルティーがあるので、やっぱりダメージはなるだけ受けない方がよい。


「ストック制」ではストックの個数を決めておき、その回数撃墜されたり落ちてしまったら終了となってしまい、最後まで残った者の勝利となる。



ステージとアイテム

ステージは結構な数が用意されていて、前作スマブラDXのステージや、隠しステージ等、実に様々な舞台がある。
ステージの形態が変化したり、横スクロールのアクションゲームのように画面が強制スクロールしていったり、足場が崩れていったり、戦艦から大砲が飛んできて無作為にプレイヤーたちを攻撃したり、その様式はいろいろ。
また、大乱闘のステージは自分で作って保存できる。


ステージ上にアイテムが出現することがあるが、Aボタンで拾うことができる。体力回復や、スマッシュ攻撃の威力が増すバット、光線銃など多数。
このアイテムの感じはマリオカートっぽくて、ある意味格闘ゲームでは反則的な気もするが、そこが任天堂らしさなのかもしれない。
ハンマーなんか拾われたときにはふっとばされること確実だから、逃げるよりほかないんだもの(笑)


アシストフィギュアはガラスのケースに入っていて、それを投げて壊すと援護キャラが飛び出す。
ポケモンボールもあって、それを投げれば中からポケモンが援護してくれる。
中にはなんのために出てきたのかわからないようなキャラもいるが、大きなダメージも与えてくれるので、拾えたら結構有利かも。


スマッシュボールという七色のボールはふらふらと浮遊しているので、何度か攻撃して壊し、中身をとると最後の切り札が使える。
これがまた強力なので、一気に形勢逆転が可能な代物。キャラクターによって違いがあり、その攻撃を避けることも可能なことがあるので、散り散りになっていく様子もまた見ものなのだ。



みんなで遊ぶ

「みんなで」は主に多人数で遊ぶためのモード。
「大乱闘」は最大4人で同時にプレイできる。コンピューターと戦えるので、ひとりでも遊べる。
「かちぬけ」は最大16人で交代しながら戦う。ふたつコントローラがないとできません。
「トーナメント」は最大32人がエントリーできる。
スペシャル乱闘」は特殊な条件下で対戦でき、COM相手にひとりでも遊べる。うさぎの耳をつけるとか、メタルに変身するとか、通常、アイテムでそのような状態になるのだが、最初から最後まで特殊な状態で戦う変わり種のモード。



ひとりで遊ぶ

大乱闘とは違った趣向のゲームモードで、こちらのほうがおまけ的な要素であるのだろうが、内容は充実している。おもにひとりで遊ぶためのモードとして作られたようだ。


「シンプル」はひたすらに勝ち抜いていくひとり用のゲーム。
キャラクターを1人選んだ後は連戦となる。
戦う相手がひとりだったり、ふたりだったり、COMとタッグを組んだチーム戦だったり、次々と襲いかかってくる敵を追撃しまくったりと、ステージによって趣が異なり、隠しキャラを出現させていたらそのキャラも敵役として登場したりと、やるたびに同じではなくて、なかなか凝っている。
11戦を勝ち抜き、最後のボスを倒してクリアとなり、難易度も5段階ある。


クリア(コンテニューしてもOK)すると使用したキャラクターのフィギュアが手に入る。
ちなみに、同じキャラで「やさしい」と「ふつう」をやってみたが、フィギュアは2体もらえた。
おそらくは、この「シンプル」でしかプレイヤーとして登場するキャラのフィギュアは手に入らないのではないだろうか。すべてのキャラで挑戦するしかないですね、これは!
試合の合間には「ターゲットをこわせ」というボーナスステージがあり、これはミスしても残りの数は減らない。



「イベント戦」はクリアの条件が定められたイベントをこなしていくモード。これも最終的にはかなりの数になります。
たとえばクッパがプレイヤーとなり3人のマリオを相手にするとか、決められた順番の色でヨッシーを撃墜していくとか、シンプルとは違って連戦ではなく、1つずつこなしていけばOK。
ふたりでプレイすることもできて、そのときはひとりでやるイベントとは違う条件でのチャレンジになるので、ますます楽しめる。


「競技場」には3種類の競技がある。(例によって条件満たせば増えます)
ホームランコンテスト」はサンドバッグをぶっぱなし、飛距離を測るゲーム。
ハンマー投げのような枠組みの中で、5秒間サンドバッグを叩き続け、まずはダメージをためる。そして制限時間がきたら思いっきりぶっとばす。


ターゲットをこわせ」は「シンプル」の中に登場したのと同じものだ。

ステージ内の「的」を全部壊すのが目的で、穴に落ちるとゲームセットとなってしまう。
秘策は、ステージにおいている道具を有効に使ったり、キャラクターの特技である飛び道具(銃や弓矢)などを使って的を壊し、時間を節約すること。
「シンプル」の難易度を上げてチャレンジすると、ボーナスステージの「ターゲットをこわせ」もレベルの高いものが出現する。
そうするとこの「競技場」にも同レベルの「ターゲットをこわせ」が出現し、タイムアタックにチャレンジできる。


「組み手」は上級者向けのモードといっていいだろう。
次々と現れる敵をひたすらに倒し、百人斬りしたり、15分耐え抜いたり、めちゃくちゃに強い敵を相手に戦ったり、一筋縄ではない。



アドベンチャーモード 亜空の使者

制作者はこのアドベンチャーモードのためにキャラクターの動きを調整したというのだから、今作の目玉といってもいいだろう。

基本的には横スクロールアクションで、要所要所で画面が固定となり、画面に出現する敵を全滅させないと前に進めなかったり、ボス戦があったりと、実はアクションゲームにも向いているスマブラではあるが、アクションゲームの王道マリオシリーズと違って多少操作しづらい部分もある。


構成としては、ステージに入る前に全体マップがあり、1つのステージをクリアすると次のステージのポイントが現れ、駒を進めることができる。
もちろん、クリアしたところをもう一度難易度を変えてやることも可能だ。
現在どの程度ステージをクリアしたかパーセンテージで記されている。


一枚絵のマップにポイントが現れるのだが、マリオのゲームのように道がないので、バラバラな場所にステージが存在しているように見える。
ポイントのマークはまだクリアしていないところは「!」マーク、クリアしたところは旗のマークがつくのでそこで見分けることになる。
ステージには隠し扉があるので、そこに入ってアイテムを回収したりすると、そのステージをコンプリートしたということで王冠マークがつくようだ。


シナリオは亜空の使者が侵略してくるという場面を描いたオリジナルストーリーで、雑魚の敵もボスもこれ専用に作られている。
合間にムービーが流れるがセリフは一切無く、想像力をかき立てられる。
悪役としてクッパワリオが登場し、プレイヤーをフィギュアに変えてしまう機械を持っている。
自分としてはあっと驚く黒幕も登場して楽しめた。
最終的には大乱闘で使えるキャラクターが一丸となってボスを倒すことになる。
なので、このゲームをクリアすればもうほとんどのキャラクターが使えるようになるのだ。


このモードではフィギュアとシールが集められる。
シールはほかのモードと同じように突然現れたりするのだが、ステージの途中に透明な四角いガラスのようなもの(はてなブロックのようなもの)があって、その中にフィギュアが入っていることがあるのだ。
あとは、敵を倒したときにたまに黄金のフリスビーのような円盤が出てくるので、これを拾って敵に投げるとフィギュアに変えることができる。



コレクション

さて、そのコレクションですが、収集癖のあるゲーマーにとっては全部集めないことには気が済まなくなってしまいます。
フィギュアやシールは撮影用に並べられ、写真を撮って保存もできる。



大乱闘中にポーズをかけると、その場面をズームアップしたり、違った角度から眺めることができる。
大乱闘のゲーム画面は2Dのようだが、でも実は3Dで描かれているのがわかる。
おもしろポーズを静止画として保存できる。


コインシューターは、手持ちのコイン1枚を弾丸1発に換算してプレイするシューティングゲーム
敵を撃ち落としていけばシールが入手でき、時折現れるフィギュアに弾を数発当てればそのフィギュアがもらえるというものだ。
手持ちのコインというのは「亜空の使者」やその他のゲーム、大乱闘のコイン制で得たもの。
クリアというのはないようなので、やめたくなったらやめられる。


スナップ写真、作成したステージ、リプレイデータは本体のほか、SDカードに保存しておける。
それらはネット回線を通じて任天堂にも投稿でき、フレンドにも送ることができる。
フレンドの場合は、スマブラのフレンドコードとWii本体のフレンドコードと両方登録した人のみに送信可能になっている。
任天堂に送られてきた投稿作品は、任天堂が選んでそれぞれのWiiにネット回線を通じて1日1つ送られてくる。
ターゲットをこわせとかホームランコンテストの映像は、こんなやり方があったのか!と、初心者の私にとっては目から鱗であった。



Wi-Fi通信

ネット回線を利用して世界の人と対戦ゲームが楽しめる。
接続すると自分のフレンドコードを教えてくれるので、誰かに教えたいときにはメモしておく。
これはWii本体のフレンドコードとは別の物で、スマブラ専用のコードになる。
友達のフレンドコードをお互いにフレンドリストに登録すれば、フレンドと対戦ができる。
最大4人で大乱闘、フレンドと一緒に組み手、2人でホームランコンテストで遊べる。


「だれかと」ではフレンドコードを登録していない相手と遊べる。
このときは自分の名前も相手にわからないし、言葉をかわすこともできない。
それが後腐れなくて、ただ対戦をしたいという人に向いている。
相手を募るので、同じ時間に誰かと対戦したいと思っている人がいなければ当然ながらプレイはできない。
最大4人でおきらく乱闘、見知らぬ誰かとチームを組み2対2のチームバトルが遊べる。


「大観戦」では、誰かが行った「おきらく乱闘」と「チームバトル」のプレイデータを鑑賞できるというもの。
このとき、誰が勝つか手持ちのコインをかけて予想することができる。
また、観戦すると何枚かシールがもらえるのがうれしい。


観戦するだけでも楽しいものだ。
やはり、自分が使いこなせて勝てると思ったキャラで挑んでくるはずだから、その人がなぜ得意なキャラなのか、見ているとそれがわかっておもしろい。
オールスターが集まったお祭りみたいなゲームだけに、多種多様で世界観が全く異なるキャラクターが集まってきてもさほど違和感がない。
まさに無礼講といったところか。
それにしても、ルイージはどこへいってもコミカルキャラになってしまったよなぁ……(笑)



ジャケット        ジャケット
大乱闘スマッシュブラザーズX   Wiiリモコン