ゲーム録

テレビゲームについて語る

 きみとぼくと立体。


アクションパズル・2P同時プレイ
任天堂 2009年3月26日発売 Wiiウェア

NINTENDOSOFT WiiReview WiiWare-Review

シンプル

DSiウェアで展開中のパズルゲーム「Art Style」シリーズのようなシンプルな画面と操作。
その流れから制作されたかと思いきや、「Dの食卓」「エネミー・ゼロ」などを手がけた飯野賢治氏が携わった作品で、家庭用ゲーム機では約9年ぶりの発売となったそうだ。
リモコンが2つあれば2人で同時プレイが可能。



デジタルなバランスゲーム

ゲームの内容はというと、浮遊している立体の上に「ニンゲ」というキャラクターを乗せていく。
リモコンを2回振るとリモコンの中にニンゲが1組(2人)誕生するので、ポインターで2カ所ニンゲを投げ入れる場所を決める。
リモコンを画面に向かって振るとニンゲがリモコンから飛び出して画面に投げ入れられる。
ニンゲを放り込んだ後はニンゲを操作することは出来ず、ニンゲは思い思いに行動する。


神にでもなった感覚といおうか。
ニンゲを生み出せてもニンゲは意志を持っており、操作は出来ない。
ニンゲの重みで立体がバランスを崩し、ニンゲが滑り落ちていくので、再びバランスをとるためにニンゲを投入。
決められた時間内に決められた数以上のニンゲが立体の上に残っていたらクリアとなる。



ルール

レベルは6段階あり、それぞれ6つのステージがある。
1つのステージは立体1個、「CUBE1」から始まり、まずはその立体の上に規定時間内で規定のニンゲを乗せる。
ノルマを達成するとそこへ立体が1つ重なり合うように増えていく。
立体は6つまで増えるので、CUBE1〜CUBE6を達成すれば1ステージクリアとなる。
時間内に出来なければアウトとなる。
また、ニンゲが1人落ちるたびに5秒タイムが減ってしまう。


ニンゲを乗せることが出来るのは立体の上の部分だけ。
上の部分が画面の向こう側に傾いているときにニンゲを投入してしまうと、ニンゲは立体に体当たりしてそのまま落下してしまう。
Bボタンを押すと立体の向きが変わるので、きちんとニンゲが上の面に乗っかるようにしないといけない。
そのあたり、実際に画面に向かってニンゲを投げ入れている感じになれる。


どんどん立体が増えていくが、すべての立体に1人以上ニンゲを乗せなくてはならない。
乗っていない立体の面は赤く表示されるのでわかりやすくなっている。
規定の数以上のニンゲを立体の上に立たせることが出来たらジャッジタイムとなる。
そのあいだはニンゲを生み出せない。
3秒ニンゲが立体から滑り落ちず耐えられたらクリア。



ニンゲを多く残す

1ステージはCUBE6まであるが、最終的なスコアは残っていたニンゲの数で決まる。
CUBE1をクリアして次のCUBEへ移行するとき、ニンゲが倒れていたりふらついていたりすると立体からふるい落とされてしまう。
これはCUBEクリア後に起こることなのでクリア自体にはなんの影響もない。
安定して立っているニンゲはその場に体育座りをする。
CUBE6をクリアしたとき、体育座りのニンゲがカウントされてスコアとなる。


CUBE6に関してはふらついていても乗っていれば全員がカウントされる。
ニンゲを生み出す数は規制されていないので、1つの立体にニンゲを乗せずにわざとクリアせず、必要以上に他の立体にニンゲを乗せてスコアを伸ばすなんてことも可能。
ただ、レベルが上がるにつれ時間的にも余裕がなくなってくるので、目標スコアまで到達するのは至難の業。



ニンゲの行動


ニンゲはしばらくすると勝手に歩き出す。
なので大きくバランスを崩してしまうことがあるのだ。
だけども、落ちていくのは不本意らしく、床にはいつくばったり立体にぶら下がってどうにか耐えようとする。
それを見た他のニンゲが助けに行くとこもあったり、ニンゲが吹き出しでなにかをしゃべることもあるが、こっちはそれどころじゃないので、あまり観察できない。



立体にニンゲを投げ入れたとき、バランスよく乗せると「ナイスプレイ!」となって「つよいニンゲ」となる。
つよいニンゲは他の時よりその場に長く立ち続け、傾きにも強いという習性がある。
連続でナイスプレイになると表面が緑色に光り、しばらくはどこへニンゲを投入しても立体のバランスが保たれたままとなる。



ギミックとおじゃまニンゲ

たまにニンゲを生み出すとき、シロニンゲが生まれてしまうことがある。
シロニンゲは普通のニンゲを突き飛ばしたりする悪さをしでかす。
普段は透明だが悪さをしたあとは白く光るので、ニンゲをリモコンに生み出し、シロニンゲをポイントして投げ入れればやっつけることが出来、そのニンゲはつよいニンゲとなりタイムも10秒増える。
シロニンゲは傾きにも強いので、CUBEをクリアしたあとも振り落とされずに次のCUBEでも邪魔をしに来る。
ステージクリア時にはニンゲ1人としてスコアに加算されるので、放っておくのもあり。


立体自体にも仕掛けがあって、上にニンゲが乗ると凍り付いてしまう立体や、上に乗ると跳ねとばされてしまう立体、数字の数しかニンゲを乗せられない立体などがあり、意外と多彩。
だけど、ミッションが1つのパターンしかないので、リモコンに複数のニンゲを生んで一気に投げ入れナイスプレイを目指すとか、いろんなパターンでの遊び方が出来たらもっとよかったかな。



感想

全体として、そんなにパズル要素の強いものではないが、立体が不規則に重なっているのでどこに重心があるのか見極めは難しい。
ゆえに「ナイスプレイ」になったときは気持ちがいい。
レベルが上がるとギミックも増え、時間も短くなり、正直時間との勝負に追われてしまい、もう少し考える要素があってもよかった。
いかにニンゲを落とさずタイムを減らせずに済むか。
わりとシロニンゲをやっつけることで助かったりもしている。
振る動作と投げる動作を挟んでいるので、連続でポンポン投げ入れることが出来ず、それがほどよく足かせになっているようだ。
ロジカルなパズルゲームが苦手な人にもおすすめだが、素早い動作も求められる。
最初からレベル6まで出来るようになっているが、全クリアしたらどうなるのだろうとやってみたらおまけの裏モードが用意されていた。
まぁともかく、全部クリアして値段相応の価値があるとわかった。