ゲーム録

テレビゲームについて語る

 キングダム ハーツ ファイナルミックス (KINGDOMHEARTS Final Mix)

アクションRPG
スクウェア 2002年12月26日発売 プレイステーション

SQUARESOFT

FFとディズニーの融合

ドナルドダックやグーフィーをはじめとするディズニーキャラクター総出演の豪華さ。
ファイナルファンタジーVII、VIII、Xのキャラクターデザインを手がけた野村哲也氏がディレクションしたとあって、FFシリーズからもキャラクターが出ており、お祭りのようなゲーム。
また、テーマソングを宇多田ヒカルが歌っており、このファイナルミックス版ではハーレイ・ジョエル・オスメントやディズニーアニメの声優が声を担当している。


このゲームのオリジナルキャラクターで主人公のソラはデスティニーアイランドという小さな島国で暮らしている少年。
日々の暮らしに閉塞感があり、友達のリクとカイリもこの島の外部にあこがれを持っている。
そんなある日、洞窟の奥にある開かずの扉からハートレスたちがやってきて、デスティニーアイランドは闇に包まれてしまう。
ソラはトラヴァースタウンにやってきたが、他の者たちの姿は見つからない。


一方、ディズニーキャッスルでは「王様」が手紙を残して姿を消していた。
ドナルドとグーフィーは手紙にあった「キーを持つ者」を探してトラヴァースタウンにやってきた。
ソラが手に入れたキーブレードを見て一緒に旅をすることになる。
ハートレスはそれぞれの世界にある鍵穴からやってきて世界を崩壊させているので、ソラは鍵穴を探し出し、キーブレードで閉じるというのが当面の目標になってくる。



グミシップでワールド間を移動


トラヴァースタウンは崩壊してしまった世界の生き残りとでもいうべき人々が寄り集まっている街。
FFのキャラクターであるスコールやエアリス、シドなども自分たちがいた世界が崩壊してここへとやってきた。
ディズニーのキャラクターと共存できるのも、この設定によるところだろう。


ディズニーのキャラクターといえどもそれぞれの世界を持っている、ということだろうか。
このゲームには実に様々なキャラクターが登場するが、それぞれの世界観が崩されないような工夫がしてある。
通常は他のワールドに行けないようになっているが、ドナルドたちが乗ってきたグミシップと呼ばれる宇宙船はその世界を行き来することができるのだ。


ワールドには「ふしぎの国のアリス」「ターザン」「アラジン」「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」などをモチーフにした独立した世界があり、おなじみのキャラクターが多数登場し、ソラと一緒にパーティを組めるキャラクターもいる。
でもそれはそのワールドのみであって、仲間になったからといってグミシップで他へは移れない。メインのパーティはソラとドナルド、グーフィーの3人である。


グミシップのパーツを拾えばカスタマイズができる。
ワールド間の移動はシューティングゲームのようになっており、ミッションもいくつか用意されている。



バトルシステム


移動しているフィールドに敵が出現し、そのまま切り替えなくバトルフィールドになる。
敵が出現しているときは画面の左下に出ているコマンドの枠が赤く表示され、メニューが開けなくなる。なので、武器やアビリティーの装備のし直しができない。
アイテムも今装備しているものだけしか使えなくなる。
戦闘を拒否して突っ走り、フィールドを切り替えてしまってもよい。


プレイヤーが操作できるのはソラのみである。
ソラのHPがゼロになるとゲームオーバーだが、その他のキャラクターのHPがゼロになると気絶状態となり、しばらく時間が経つと自動的に復帰する。
R1を押すとロックオン状態になってその敵の方向を向き、見失うことがない。
L2ボタンでターゲットの対象を変更できる。


コマンドには「たたかう」「まほう」「アイテム」「?」があるが、十字キーで選択して切り替える。
ただし、魔法はショートカットを登録しておくことが出来る。
L1ボタンを押しながら○ボタンを押すといった方法で瞬時に魔法を発動させられる。
「?」のところには装備したアビリティによって変化し、特殊攻撃が可能となる。


ゲームを進めると召喚魔法が使えるようになる。
シンバやダンボ、バンビなどがいる。
一定の時間強烈な攻撃をしたり、アイテムを振りまいたりする。
召喚できるのは1人も気絶していない状態。召喚すると仲間の2人は消え、時間が経つと元に戻る。


中にはなにかを要求している敵もいて、その敵のそばでアイテムを選ぶと「コンタクト」と出るので、それを選ぶとアイテムをその敵に使う。その敵が欲していたものならなにかがもらえる。



レベルアップ

敵を倒すと共通の経験値がもらえ、お金やアイテムなどを落とすので回収する。
イベントを終えたりレベルアップするとアビリティがもらえる。
戦闘中だと画面左上に表示されるが見逃してしまうこともあって、メニューを開いてみたら知らぬ間に増えてるなんてこともしばしば。
アビリティには必要APがあって、装備できる制限がある。
コンボフィニッシュやガードアクションなど条件を満たせば自動で発動するものやMP消費で特殊技を使うことが出来る。


ケアル使用時にダメージを受けないというアビリティもあるが、これはケアルやポーションで回復しているとき、使ってから身に降りかかって実際に回復するまでにタイムラグがあり、その間に攻撃されるとHPが削られ死んでしまうことがある。
敵と充分に離れるとか余裕を持って回復しないと痛い目にあってしまうのだ。
とにかく、アイテム選択が左の十字キーで、ソラを動かすスティックも左の指なので、アイテムが扱いにくいのが難点。



仲間の設定

メニューにて仲間の行動を指定しておくことが可能。
通常攻撃を多くするのか、MP消費の攻撃を多くするのかなど設定しておける。
MPは多くないのであっというまに消費してしまうし、HPも減りがち。
回復アイテムを持たせていたらHPが少なくなってきたとき自動で回復してくれるので便利だが、ボス戦以外ではあまり持たせておかない方がいいのかも。自分たちにも使うので減りが早い。
戦闘中でも仲間がどれだけアイテムを持っているか確認できるともっといいかも。
とにかく、ソラが死んでしまうと終わりなので、ボス戦などは特に仲間が気絶してもソラのアイテムは最後まで温存しておきたい。


仲間もそれぞれアビリティがあるのでその時々で付け替えてあげればいい。
ドナルドは魔法が使えるので、ファイアやケアルなどの魔法を入手するとドナルドも使ってくる。
ドナルドのケアルは結構頼れる。


ドナルドとグーフィーの3人でいるときはフィールドにあるトリニティマークでアクションが起こせる。
色分けされているので、ゲームを進めると使えるようになる。
宝箱が出現したり、別の場所へ行けたりする。



いろんな遊び要素


コロシアムで戦いを勝ち抜いていったり、世界に散り散りとなってしまった101ワンちゃんの子犬たちを探し出したり、本編外の要素も多い。
絵本を手に入れるとその中にはプーさんが登場する。ページが破られてしまっているのでそれらを集めていくと物語が完成していく「100エーカーの森」というのもある。


とにかく、ディズニー好きにはたまらない内容で、コミカルなところがディズニーっぽくていい。
ただ、ソラにまつわる部分やXIII機関などはFFっぽい暗さがある。
あと、アクションが苦手な人は初心者向けで始めた方がいいかもしれない。意外と手強いのだ。


3Dの世界を自由に動き回れ、崖っぷちにつかまったり、狭い足場を壁に背を付けて歩いたり、泳いだり、動きも凝っているが、ジャンプがもう少しこちらの思うように動いたら……という場面が多々ある。
あと、カメラワークが悪すぎる。
L2、R2ボタンで視界を旋回できるが、せっかく動かした視線が自動で戻っていまい、どうにも動かしにくい場所もある。
それでもまぁ、これだけディズニーアニメを引っ張り出してきたのだから、すごいとしかいいようがない。



ジャケット
キングダム ハーツ 358/2 Days