ゲーム録

テレビゲームについて語る

 ゼルダの伝説 ムジュラの仮面

アクションアドベンチャー
任天堂 2000年4月27日発売 ニンテンドー64

任天堂 2008年4月7日バーチャルコンソールダウンロード開始
NINTENDOSOFT VIRTUAL-CONSOLE

時を超えた戦いのあとに・・・

ゼルダの伝説 時のオカリナ」でガノンを倒し、子供時代へと戻ってきたリンク。
はぐれてしまった「友達」を探すためにハイラルを旅だった。
森の中でお面をかぶったスタルキッドに遭遇する。
呪いをかけられ、デクナッツの姿に変えられてしまったあげく、時のオカリナと馬のエポナを奪われてしまう。
追いかけていくと奇妙な世界に迷い込んでしまった。
そこはクロックタウンを中心としたタルミナと呼ばれる場所。
ゴロン族やゾーラ族がいるなど、どこかハイラルを思わせるような場所である。


スタルキッドがかぶっている面は「ムジュラの仮面」といって、お面屋から奪ったものだった。
リンクはお面屋にその仮面を取り戻してきて欲しいと頼まれる。
その際、時のオカリナも取り返せば呪いを解く方法を教えてあげるという。
お面屋は3日後にここを出て行くのでそれまでに取り返して欲しいという。

ムジュラの仮面を取り返すには沼、山、海、谷にいる巨人のところへ行く必要があることがわかる。
ゼルダの伝説 時のオカリナ」ではガノンを倒すために6人の賢者を目覚めさせなくてはならず、ダンジョンもその数以上はあったが、今回は少なめといっていい。



3日間という限られた時の中で

このゲームには時間の概念があり、朝6時からスタートして時間は容赦なく過ぎていく。
会話とメニューを開いているとき以外は時間が進んでいき、あっという間に3日間がすぎてしまう。
3日が過ぎてしまうとゲームオーバーとなってしまうのだが、時のオカリナを取り戻すことが出来たら時間を最初の朝に戻すことが可能だ。街の人は同じ時間に同じ行動を取っているが、当然ながら1回目にリンクと会ったことは覚えていない。
なので人々との会話に関わるイベントフラグも初期化される。


時間を戻したときに残っているのは入手したお面、弓などダンジョンから持って帰ってきたアイテム、銀行に預けているお金、ビンなどの一部アイテム、ハートのかけら(増えたハートの数)、大妖精から授かった能力、剣と共鳴させたフクロウの像、ボンバーズ団員手帳など。
セーブは時間を最初の朝に戻したときだけ自動でセーブされるだけで、他にセーブする方法はない。
そこがこのゲームの一番やっかいなところだろうか。
中途半端にゲームを進めてやめてもまた同じところをやり直す状況になってしまうからだ。
セーブする機会が少ないためか、体力がゼロとなってしまってもセーブ時から再度やり直しとはならずに、マップの入り口からやり直せるようになっており、そこらへんは難易度が低いともいえる。


目安としては、フクロウの像。
これを剣で叩いておけば、最初の朝スタート直後でもオカリナを吹いてその場所へと来ることが出来る。
大型のダンジョンは少ないものの、フクロウの像がある地点にやってくるまでも結構いろいろなことがあるので、このショートカットはなかなか便利。


ダンジョンの仕掛けも戻ってしまう。
だが、入手したマップとコンパスはなくならないので、そこへ行く手間は省ける。
ボスは一度倒しても時間を戻すと復活している。
ボスを倒して沼の毒が抜けるなどのイベントはまた振り出しへ戻ってしまうが、ボスを倒したときに手に入る仮面はなくならない。



ボンバーズ団員手帳


前作では、子供時代はお面を借りて交換していき、大人時代はいろんなアイテムを物々交換していくというわらしべイベントがあったが、今回は究極の形となって帰ってきた。
ボンバーズ団員手帳を手に入れると、クロックタウンの人々が困っていることを知ったときに手帳に記されるようになる。
サウンドノベルのチャートみたいなものだ。
そのイベントに遭遇する時間も人によって違い、長期戦のわらしべイベントもあるのでわかりやすいようになっている。
人々の要望が満たされると手帳にも記され、エンディングにも影響する。


手帳に記されるのは20人だが、他で入手しなければならないアイテムが必要だったりするので、すべてのイベントを一度にこなすことは不可能だ。
フリーシナリオのゲームで複数の主人公を用意し、主人公によって違うイベントが用意されていたりするが、このゲームではオカリナで時間を戻せば違うわらしべイベントや、時間が過ぎてしまって見逃したイベントを見ることができるというわけだ。
だけども、それを見つけ出してコンプリートするのは難しい。


手帳には関係ないが、35歳の自称妖精チンクルが初登場。
行く先々で風船につかまって空中にいるが、風船を割って話しかければ地図を売ってくれる。
クラブニンテンドーのプラチナ会員の特典に「チンクルバルーンファイトDS」というのがあったが、これはまさに珍妙な取り合わせ。



仮面


仮面をかぶるとリンクの姿が変わり、能力も変わる。
デクナッツの仮面をかぶればデク花ジャンプで空中を飛べたり、魔法の力でシャボンを飛ばしたりできる。
ゴロンは力が強くなり、丸まって高速移動が可能。
ゾーラは水中での移動が得意で、ヒレを使ったブーメラン攻撃も。
わらしべイベントで入手できるお面は、人々の会話や反応の違いが楽しめたり、踊ったり、行進したり、別のわらしべイベントで必要だったりする。
大妖精のお面は、ダンジョンではぐれ妖精を見つけるのに便利で、ガロのお面は通常では見えないガロをおびき寄せる。
お面をかぶってゲームを進めるのも特徴的だし、遊びに満ちている。
また、ミニゲームもかなりの数が用意されている。


NINTENDO64ではゼルダの伝説を1作つくっているので、外伝的なゲームもありなのだが、趣向を変えた挑戦的な内容であるのがなおよい。
同じハードで2作目を作るというのは一から作るよりは作りやすいだろうし、他のゲームでもよくあることだが、ようするに、内容が満足できれば多少素材を使い回しにしてもプレイヤーは納得できるものなのだと思う。
Wiiでの2作目のゼルダの伝説にも期待したい。