ゲーム録

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ゼルダの伝説をひもといてみる――総まとめ編

「初代ゼルダ」から「トワイライトプリンセス」まで、ゼルダの伝説シリーズをストーリー面から徹底解析し、仮説を立ててきました。
詳細は目次より各項目をご覧ください。。
重複する部分はあるかと思いますが、時間の流れにそってハイラルの歴史を語っていきたいと思います。
いうまでもないですが、筆者自身の持論であります。
ネタバレ含みますのでご注意を。



1.巨大王国ハイラルの頃

リンクの冒険」の設定より
ハイラル王国には神秘の力を持つ黄金の三角形トライフォースが代々伝えられていた。しかし、ある代のハイラル王は、その3つのトライフォースを継承する心正しき者を存命中に見つけることが出来なかった。
力と知恵のトライフォースは王国に残したが、勇気のトライフォースはそれを受け継ぐにふさわしい者が現れるまで封印することにした。どこに隠されているか知っているのはゼルダ姫のみとなった。
しかし、魔法使いが口を割らぬゼルダ姫に呪いをかけ、永遠の眠りにつかされてしまったのである。それ以降、王国の姫君にはゼルダという名を付けるようになった。



2.リンク、ハイラルに現る

ゼルダの伝説」の頃
ハイラル王国はどんどん勢力を失い、地方の国家が独立していった。
トライフォースを受け継ぐハイラル地方の小王国がガノンに襲われた。力のトライフォースガノンに奪われ、ゼルダ姫は知恵のトライフォースを8つの小片にして隠した。乳母インパは旅人リンクに助けを求める。リンクは知恵のトライフォースを集め、ガノンは倒された。



3.勇気のトライフォースの復活

リンクの冒険」の頃
リンクの手の甲にトライフォースの紋章が浮かび上がり、勇気のトライフォースの継承者に選ばれた。己との戦いに打ち勝ち、それを手にし、永い眠りにつかされていた初代ゼルダ姫を目覚めさせる。これ以降もその小王国の王女にはゼルダと名付けることはやめなかった。



4.時の勇者の伝説

風のタクト」のプロローグより
3つ集まったトライフォースであったが、時が流れ、悪しき者の手に渡って世界は荒れた。しかし、どこからともなく時の勇者が現れ、退魔の剣でもって悪しき者を倒す。勇者がその地を去る時、持っていた勇気のトライフォースは8つのかけらとなり、ハイラルの大地の方々へ散った。


(もしかしたらこれは「初代ゼルダ」「リンクの冒険」を指しているかもしれない。「初代ゼルダ」に登場するリンクはどこからともなくやってきた旅人であり、緑の服を身にまとっていた。
その時使っていた剣は王国に保管され、賢者によって鍛え上げられ、マスターソードになったのかもしれない。「神トラ」ではマスターソードは封印戦争の時に神のお告げによって賢者が造ったとされるが、実際には「時のオカリナ」ではすでに存在しているから、つじつまの合わない部分がどうしても存在する。
そして「風のタクト」の冒頭で時の勇者の伝説が語られる時、初代ゼルダの音楽が使われている)



5.ハイラル王国の崩壊

引き続き「風のタクト」の設定より
再び悪しき者が復活するが、ハイラル王はただ祈るばかり。神はハイラルを沈め、選ばれし者だけを島々に残した。
ハイラル城の地下にあるマスターソードは時を封じたかのように魔物も封じた。しかし、ガノンマスターソードに力を注入していた2人の賢者を殺してしまっていた。



6.残された島々の下に沈む王国

風のタクト」の頃
神によって封じられたはずのガノンがまた復活する。赤獅子の姿になったハイラル王は勇気を持った若者を見つけ、正しい道へ導く。リンクはマスターソードを抜き、殺された2人の賢者の後継者を賢者として目覚めさせ、勇気のトライフォースも完成させた。海底に封印されているハイラル城へと行く。ガノンはリンクとゼルダ姫の生まれ変わりであるテトラによって倒された。しかし、「我、種子を放てり」という意味深な言葉を残した。
力、知恵、勇気のトライフォースは共鳴し、1つとなって完全な形になった。それにはハイラル王が触れ、再びハイラルを海に沈め、リンクとテトラの未来を願った。それ以降、ハイラル王となる者よりは王女の方がより重要な役割を担っていくことになる。


(終盤テトラはガノンにつかまり、眠りにつかされていた。テトラは寝言で「海……海……魚もとれず、泳ぐこともままならぬ海」とつぶやいている。ハイラルが海へと沈んでいくのを見ていたゼルダ姫とシンクロしていたのだろうか。
このときテトラが見ていた夢が「夢を見る島」だったのではないか。この「夢を見る島」は魚が見ている夢の中という設定で、魚が夢から覚めたら主人公が元の世界へ戻ることが出来るが、夢の世界の住人が消滅してしまうというものだった。このときの主人公リンクは時空や空間を越えてやってきたのかもしれない。なにしろ、リンクはゲームの冒頭で寝ていることが多い。
「夢を見る島」は魚の目を覚ませるために楽器を集めて演奏する。案内人としてフクロウが登場している。一方「風のタクト」で出てくる風のタクトと呼ばれる指揮棒は、本来ハイラル王が指揮をとり、賢者が楽器を演奏して神を呼び出すためのものであった。目覚めた2人の賢者も楽器を演奏してマスターソードに力を取り戻させている)



7.新たな伝説の始まり

(独自の論理でまったくの想像です)
いったんは海に沈んだハイラルだったが、トライフォースの継承者により、ハイラルは復興した。しかし、トライフォースを巡っての争いが激しいものとなっていた。ハイラル王家の内部から、周りの各部族まで。
ハイラル王国を統治する者(ハイラル王ではなくおそらくはゼルダ姫)は事態を収拾するため、神に願った。時の神殿にトライフォースを封じたのだ。そこは時が錯綜する異次元の空間であり、交流のあった天空人の技術も借りた。その扉を開くカギとなるのが時のオカリナであり、3つの精霊石だ。それぞれをハイラル王家、ゾーラ族、ゴロン族、森の守り神デクの樹で守ることにした。誰もがトライフォースを手にして悪用されることがないようにだ。
そして、最後のカギはマスターソードを扱える勇者であった。


こうしてトライフォースは厳重に保管され、醜い争いによって失われた魂は、シーカー族によってカカリコ村に鎮静された。ハイラル家を含め、これら6部族からはのちに賢者が誕生することになる。
いつしかハイラルの復興とトライフォースの封印は伝説として語られるようになっていく。三神ディン、フロル、ネールがハイラルに降り立ち、世界を創造し、力、知恵、勇気のトライフォースを聖地に残していったと。
ハイラル王家の者でさえ勇者がマスターソードを扱える年齢を忘れていった。



8.時の勇者再び

時のオカリナ」の頃
風のタクト」で倒されたガノンの生まれ変わりか、ゲルド族から100年に一度といわれる男子が誕生した。ガノンドロフだ。ガノントライフォースを手にする前に、勇者がトライフォースを手にしてガノンを倒そうと考えたゼルダ姫であったが、リンクは幼すぎた。マスターソードによってリンクの魂は封じられた。力不足で今勇者が倒されるよりは、7年間悪に統治されるほうがよいと判断されたからであろう。
その隙に、開いた扉からガノンが侵入し、先に手にしてしまう。トライフォースは力、知恵、勇気の3つのバランスが保たれてない者が触れると3つに分かれ、それぞれ神に選ばれし者に宿る。
マスターソードが扱える大人になるまで7年眠りにつかされたリンクだったが、七賢者の力を借り、ガノンを封じることが出来た。リンクは大人になったゼルダ姫によって元の時代へと帰される。
リンクはその後、マスターソードを手に取ることなくハイラルを旅立ち、未来は変えられた。


(ちなみに、わたしは「時のオカリナ」以前にも時の勇者が存在していたと仮説を立てた。「トワプリ」でリンクが時の神殿から過去に戻り、陰りの鏡の魔力に支配された魔物を倒している。この魔物がその時代の人々を苦しめていたのかもしれない。どこからともなく現れた者が魔物を倒し、時の勇者と称えられたのではないだろうか)



9.封印戦争

ゼルダ姫は時を旅したリンクにマスターソードは抜かない方がよいことを聞かされる。それからほどなくガノンドロフハイラルに攻め入り、王を殺害。ゼルダ姫は命からがらインパと逃げる。ガノンは時の神殿のマスターソードを抜くことは出来ない。しかし、ガノンは聖地への入り口を他の場所に見つけた。もしかしたらこのときに影の結晶石の魔力を使っていたのかもしれない。
ゼルダは6人の賢者を目覚めさせ、騎士団と共に戦い、どうにかガノンを封じることに成功した。マスターソードを扱える勇者はとうとう現れなかった。リンクはハイラルから旅立っていたのだ。それは、未来の出来事をリンクから聞かされた、ゼルダの決意でもあった。勇者を待ち、神に祈っているだけでは駄目なのだと。
6人の賢者たちは神に近い存在の魂となり、魂の神殿にてハイラルを見守った。



10.光と闇

神々のトライフォース」の頃
時は経ち、封じられたガノンは闇の世界から光の世界にいる司祭アグニムを操って復活をもくろんでいた。ゼルダを含む7人の賢者の末裔によってガノンの封印が解けてしまうのだ。
リンクはマスターソードを手にし、ガノンを倒してトライフォースの精と対面する。リンクはマスターソードを迷いの森の台座に戻し、この剣が二度と使われることがないよう願った。
だが、リンクは「勇気」の精神が強く、実はトライフォースは3つに分断され、それぞれ神に選ばれし者に宿ってしまったのかもしれない。



11.悪夢再び。

しぶとくもガノンドロフは復活した。いつしか魂の神殿は砂漠の処刑場と呼ばれるようになり、ガノンは6人の賢者によって鏡の間から陰りの鏡によって封じられるが、水の賢者が殺されてしまった。ガノントライフォースが宿っているとは知らず、油断したのだ。
そして、影の結晶の魔力を使って征服をもくろんでいた者たちを影の世界へと追いやった。影の結晶石は神が使わした光の精霊によって封じられた。



12.ハイラルの影の世界

トワイライトプリンセス」の頃
時は経ち、砂漠の処刑場への道も絶たれた頃、影の世界の住人ザントはガノンにそそのかされ、巨大な憎しみを持って悪の化身となった。影の世界の姫、ミドナを追いやる。
光の世界は影の領域に犯されていく。リンクは光を取り戻し、ザントを倒した。ガノンハイラル城に結界を張ってゼルダを幽閉した。
リンクはガノンを倒して平和を取り戻す。ミドナは影の世界へと帰る際、唯一の通り道であった陰りの鏡を粉々にしてしまった。彼女はハイラルの影として生きていくことを決断したのだった。
かつての勇者がそうであったように、リンクはハイラルから旅立った。勇気のトライフォースを持つ者は、2つのトライフォースから遠ざかるようにして去っていった。そうすることが使命であるかのように……。