ゲーム録

テレビゲームについて語る

 マリオペイント (MARIO PAINT)


お絵かきツール
任天堂 1992年7月14日発売 スーパーファミコン

NINTENDOSOFT

マウスを使う

マウスとマウスパッドがセットになった「マリオペイント」はウィンドウズ標準で付いてくる「ペイント」に似た機能を持ったソフト。
コントローラの差し込み口にマウスを差し込んで、すべての操作をマウスで行う。
カーソルスピードも変えられるので、機能的にパソコンとそんなに遜色はないと思う。



細ペン、中ペン、太ペン、スプレー、直線・四角・円などの形、塗りつぶし、コピー、アルファベットやひらがななどの文字、そしてドットで書かれたマリオやヨッシーRPG風の梯子や扉など数多く用意されたスタンプを使ってお絵かきをする。
消しゴムやアンドゥ機能もある。
パレットから色やスタンプの種類を選択する。
色は単色や細かなモザイク風グラデーションなど数種類ある。
下地の色もパレットから選べる。デフォルトはごく薄いグレーだ。
スタンプはエディットができて、拡大画面でドット絵を作る要領でオリジナルスタンプが15個まで作れる。



アニメとサウンド

4枚、6枚、9枚の絵を使ってアニメーションが作れる。
枚数が少ないほど大きなイラストが使える。
アニメーションは定位置だけでなく、マウスで描いた軌跡に沿ってアニメーションさせることも可能。
小さいイラストでも画面の上から葉がひらひらと落ちてくる様子や、端から端まで走っている人のアニメーションが作れたりするわけだ。



サウンドは五線譜の上に音符を置いて自由に曲が作れる。
鳴らせる音色はトランペット風や猫の鳴き声など全部で15種類。
味気ない黒いオタマジャクシじゃなくて、それぞれの音色によってマリオの顔やフラワーなどのアイコンを五線譜に載せる。
全音符、四分音符など音の長さは変えられない。
4/4拍子なら1小節を4分割した場所に音符がおけるので、八分音符として音を鳴らしたいときは2小節分を1小節と仮定してテンポを速めるなど工夫をすればなんとかなる。
1音をのばせないのがネックか。


一度に同時にならせるのは3種類の音色で、同じ音階に複数の音色はおけないし、和音のように同じ音色を同時に3つならせない。
五線譜は共通で、そこに鳴らしたい音を全部詰め込むようになっている。
Wii Music」では同時に6つの楽器を鳴らせるが、1曲で使える楽器は6つまで。
このソフトは同時に鳴らせるのは3つだが、1曲で使える音色は15種類全部使える。


作ったイラストとアニメーション、サウンドは1セットとしてセーブする。
セーブデータが1つしか保存できないのはきつい。
そのためなのか、パッケージにはビデオに繋いで録画してみようという勧めのリーフレットが封入されていた。


ヨッシーの絵が描かれた塗り絵やハエたたきゲームも収録されている。



ニンテンドー3DSでは……

任天堂はこれまでにいろいろなソフトを発売してきているが、それらのソフトやお蔵入りになっていたアイディアを、時代時代のその時々で実にうまく昇華させてきていると思う。
ニンテンドー3DSのプリインストールソフト「ARゲームズ」の中に「らくがき」というペイント機能がある。
これは下画面にタッチペンでお絵かきができるのだが、書いている下画面は平面的なのだけど、上の画面で自動的に立体物であるかのように表示される。


なぜペイントが独立したアプリになってないのかといえば、ARカードを利用してMiiやキャラクターを画面に登場させるように、自分の描いたイラストをカメラでとらえた風景の中に登場させているからだ。
イラストを上からのぞき込むようにすると、ジャイロ機能で本体の動きを察知して、透明な板に描いたイラストを上から見ているように見える。


描いたイラストは透明の箱に貼り付けているような感覚で、球形や円柱にイラストを貼り付けているみたいな形にもワンタッチで変えられる。
スライドバッドでイラストを動かせるのだが、これも平面的に画面の上下に移動するのではなく、テーブルの上を歩いている感じ。
Aボタンを押せばジャンプやバック転をしたりと、とても不思議な自作イラストに変身する。
その瞬間はLRボタンで撮影して写真画像として保存でき、凝った絵を描かなくてもおもしろさを実感できるのがいい。
そして、タッチペンを使うのでマウスよりも操作性がよい。
なによりそこにすべてが詰まっているので、どんなアイディアでも使える理想のハードでもあるのかもしれない。



ジャケット
マリオペイント